2018/06/18
任意売却という制度があることをご存知でしょうか。
これは住宅ローンが払えなくなった時に利用する、住宅の売却方法です。
通常の売却と何が違うかといえば、まず住宅を差し押さえられて競売にかけられる状態の中での売却活動という点が挙げられます。
さらに通常の売却とは異なり、ローンの残債を全て支払わなくても、抵当権を外してもらえるということがあります。
つまり担保を無くした状態で借金が残るというわけです。
今回はこの任意売却について取り上げます。
ようするに住宅ローンを払えなくなった時の制度
住宅ローンを払えなくなると、銀行からローンを一括で支払うようにとの督促状が届きます。
けれども住宅ローンを滞納するくらいなので、そんなお金はないはずです。
するとローンの残債は保証会社が代わりに返済して、債権が銀行から保証会社に移ります。
ここから返済の催促が来るようになるのです。
これを放置しておくと、やがて競売で安く処分されて借金だけが残ることになります。
それを避けるためには住宅を売却すれば良いのですが、実は普通に売却することはできません。
ローンの残債を一括で支払わないと、抵当権を外してくれないので物件を買い手に引き渡すことができないのです。
そこで利用できるのが、任意売却という制度です。
これは住宅ローンを滞納した時だけ行えるものですが、ローン残債を全て払わなくても抵当権を外してくれます。
もちろん残りは借金として残りますし、分割返済の契約を結ぶことになります。
その手続きをしてくれるのが、任意売却を行う業者です。
利用しない方がいいに決まってるけど・・・
任意売却は競売と比べれば良い条件で売却できますが、それでも競売までの間に買い手を探さなければいけないので、相場よりも安い金額で処分することになります。
それならば住宅ローンを滞納する前に売却した方がお得です。
もっと高い金額で買い手を探せますし、ローンが残っても他で借り入れることができます。
けれどもローンを滞納してしまうと、他からも借り入れはできなくなってしまいます。
それは分かっていても、何とかなると思ってしまうものです。
できれば自宅を手放したくないという気持ちもあって、最悪の事態になるまで放置してしまう人も少なくないものです。
そうなると、この任意売却の制度を利用せざるを得なくなります。
少なくとも生活を立て直すための力にはなってくれる業者を選ぶことで、自己破産を避けることはできます。
残った借金も無理なく返済できる金額まで減らしてくれるようにと、債権者と交渉してくれるところもあるので探してみると良いでしょう。